赤城と詩歌アンソロジータイトル決定投票実施のお知らせ

赤城と詩歌アンソロジー

平素よりお世話になっております。サークル「うみのいへ」です。
お知らせしておりました赤城と詩歌アンソロジーのタイトル決定投票を実施いたします。

システムメンテナンスのため開始時刻を繰り下げておりましたが、問題が解決しましたので、8日午後10時より投票の受付を開始します。どうぞよろしくお願いいたします。

タイトル決定投票について

アンソロジー企画につきましては、以下の通知をご覧ください。本通知は、赤城と詩歌アンソロジーのタイトルを決定する投票に関するものです。

先だって実施しておりましたフォームでは、2件のご応募を頂きました。ご応募頂いた方々へ、この場をお借りして心より感謝を申し上げます。

さて、12日の募集要項公開に向けて、以下の4案をタイトル案として投票に提出する運びとなりました。今回の投票は、テーマカラーとセットで選んで頂くというものになります。下記の投票サイトでじっくりと見比べ、もっともお好きなものをひとつ選んでください。

タイトル案のご紹介

簾動かし 秋の風吹く

赤城と詩歌アンソロジー

簾動かし
秋の風吹く

Kimi matsu to

『万葉集』所収の相聞歌(作・額田王、巻4・448)「君待つと 我が恋ひ居れば 我がやどの すだれ動かし 秋の風吹く」を出典とするタイトル案です。慕う人の訪れを待ち焦がれる間、すだれの動きにはっと心をときめかせていたら風に揺れただけだった――素朴ですが、恋い焦がれる心の動きを描き取った素敵な歌です。

赤城さんにも、どこかこのように、そっとひとを恋しのびつつ風の訪れにすら心を動かされてしまうようなところがあるのではないでしょうか。あるいは、こうした恋い焦がれる心の動きが、ふっと口をついて出る――というのが歌本来の姿なのかも知れません。

テーマカラーは、むらさき色といたしました。額田王といえば大海人皇子に送った「あかねさす 紫草むらさき野行き 標野しめの行き 野守は見ずや 君が袖振る」(巻1・20)が有名です。ムラサキが咲くのは秋ではありませんが、古来から染色に利用され、歌にも多く詠まれてきたこの色が、本タイトル案にふさわしいと思います。

なお、こちらは公募フォームからの匿名でのご応募に基づくタイトル案です。すてきなご応募をありがとうございました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。

※引用は『萬葉集』(日本古典文学全集版)に拠ります。

提出者・文責 フェリコランタン

海はあおく はじけて きえて

赤城と詩歌アンソロジー

海はあおく
はじけて きえて

Azurite Blue

海面は朝の炭酸のためにすつかりびた

緑青ろくしやうのとこもあれば藍銅鉱アズライトのとこもある

むかふの波のちゞれたあたりはずゐぶんひどい瑠璃液るりえき

宮沢賢治「オホーツク挽歌」(『春と修羅』青空文庫所収のものから)

赤城さんと詩歌――このテーマを聞いたとき、ふと浮かんだのが「海がこんなに青いのに」(同上)と悲しみに暮れている姿でした。この詩は、賢治が最愛の妹トシ子の死後悲しみに暮れ、花巻から樺太に向かう旅の様子をつづった連作のひとつにあたります。冒頭わずか三行で、これほど海の青さを次々と描くのはさすがの詩人だと感心する一方、その青さと限りない悲しみの間で、なおトシ子のことを思い続けている言葉の運びには、彼が詩というものに込めたたましいの叫びが透けて見えるようにも思われ、なにかゾッと背筋の寒くなる思いもしないではありません。

この詩を、赤城さんはどのように受け止めるのだろうか――そんなことを思い浮かべつつあるうち、タイトル案「海はあおく はじけて きえて」を思いつきました。赤城さんにとっての海とはどのようなものなのだろう、いつも側にあり、たえずそこに乗り込み続けながら、しかしけしてそこに入っていってはならぬ場所。赤城さんにとって、海、青さとはなんだのだろう。そう考えるきっかけとしてもらえたら、これ以上の幸せはありません。

どうぞよろしくお願いいたします。

提出者・文責 おしお

赤城ごころ

赤城と詩歌アンソロジー

赤城ごころ

AKAGI Gokoro

赤城さんというと、個人的には和歌や近代の詩なども考えられますが、一番初めに思いつくのは童謡です。たとえば「いつの日にか帰らん」(『ふるさと』)と遠い“海”を懐かしんでいる姿や、吹雪さんたちと「お手々つないで」(『夕焼小焼』)帰り道をのんびりと歩く姿などが思い浮かびます。

赤城と詩歌アンソロジーということで、歌や詩の本質とはなんだろうと少し考えていました。良い歌は時を越え、また海を越え、広く多くの人々に口ずさまれながら歌い継がれてゆくものですが、そのどの一を取ってもけして同じ景色・同じ事物を歌い取っているものとはならないでしょう。赤城さんと私と、思い浮かべるふるさとは異なります。また同じ夕焼け空に目を楽しませることもありません。しかしながら、そうした異なる景色・異なる事物に橋渡してくれるようなものとして、歌があるのではないでしょうか。

今回、タイトル案を提出するにあたり、そうした景色・事物とのふれあいをひとことでつかみ取ってくれるような言葉がないかと考えておりました。月並みではありますが、やはりそれは「心」ということになるのでしょう。心はごくごく個人的なものでありますが、同時に万人に共通するものでもあります。詩歌を通じて、赤城さんの心に少しでも近づけたら非常に嬉しいことだと思います。

「しき嶋のやまとごゝろを人とはゞ朝日にゝほふ山ざくら花」(宣長)なども思い浮かべつつ、ここでは「赤城ごころ」としました。テーマ全体のイメージがみかん色ということもあり、夕焼け朝焼けの色とも重なる、ちょうど良い言葉ではないだろうかと思います。みなさんの素敵な作品を心よりお待ちしております。

提出者・文責 大笠縁

夢青嵐

赤城と詩歌アンソロジー

夢青嵐

Dreaming Fresh Gale

まだ少し先のことで、いかにも気が早いようですが、アンソロジーの発行が6月ということで夏をイメージしました。夏の季語である「青嵐」は、訓読みすれば「あおあらし」となりますが、「せいらん」と音読すれば漢詩でも見かける熟語です。

初夏のあおあおとした山を駆け抜ける風をイメージしまして、テーマカラーはみどりに寄せました。寒さの厳しい時期にこんなものを出されても……という方もいらっしゃるかも知れませんが、申し訳ありません。赤城さんも山の名前を背負って立つ方ですから、新緑の鮮やかな木々を支えて明るく爽やかに笑っているような姿も、あってよいだろう、と思っております。

提出者・文責 中野誠文

選出方法

投票は、1月8日午後10時より1月10日正午まで受け付けます。一人一つのタイトル案を選んで頂き、最も多くの票を得たタイトル案をタイトルとして選出します。ただし、運営事項のため、過半数の得票を要求します。同率の場合は、提出順上位の候補が優先されます。

1回目の投票で過半数を得たものがない場合、上位2者による決選投票を実施します。決選投票は、1月10日午後1時より11日午後10時までとします。投票方式・選出方式は上記1回目の投票と同様とします。

投票会場は下記のリンクからアクセスできます。重複投票を抑止するため、ツイッターアカウントでのサインインが必要となります。サインイン後、投票アプリは投票者のツイッターアカウントからユーザIDを読み取り、データベースに記録するとともに、デバイスのクッキーに投票結果を記録します。クッキーはお手元で削除して頂いて結構です。また、投票終了後は、同じページから投票者情報を消去することができるようになっています。

この間、「うみのいへ」がアプリによって取得した情報は、重複投票を抑止する目的のために用いられ、投票内容と関連付けられることはありません。投票内容は、選ばれたタイトル案だけがデータベースとは独立したCSVファイルに記録される仕組みですのでご安心ください。

投票終了後、本サイトおよびツイッター上ずいちゃんのアカウントから結果を発表いたします。

どうぞご協力方お願い申し上げます。

投票会場はこちらです : https://uminoihe.jp/umisurvey/start.php

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